初めて任された開発案件で、マットを焦がしたことも!?
――伊賀さんがタイム技研に入社するきっかけは、学生時代に出場した、ものづくりのコンテストだとお聞きしました。
伊賀私は新卒入社なのですが、高校2年の時に「高校生ものづくりコンテスト」の全国大会に出場した際、会場に来ていた当社の会長に目を留めていただきました。後日、学校に「採用面接を受けてみないか」と話が来て、まさかそんなことがあるなんて思っていなかったので、とてもビックリしましたね。でも嬉しかったです。
――大会では「電気系・電子回路組立部門で準優勝されたそうですが、どのような作品ですか?
伊賀課題に添った電子制御の設計です。電子回路を組んで、マイコン(マイクロコントローラ)のプログラミングを行いました。
実は、マイコンに関する勉強を始めたのは高校生になってからなんです。それまで、はんだごてすら触ったことがありませんでした(笑)。
工業高校でマイコンのプログラミングを勉強するうちにその魅力にはまってしまい、自分のやりたいこととマッチしていると感じたタイム技研に入社を決めました。
――入社後、最初に自分なりの手ごたえを感じた案件を教えてください。
伊賀私が入社したのは2011年の春で、東日本大震災のあとでした。それもあって、震災時の停電や計画停電に備えて、社内で非常用電源を作ることになったんです。
まずは実現性を確認することが目的のため、あり合わせの物での製作でしたが、モーターなどの大きな電源を扱うパワエレ(パワーエレクトロニクス)に関して、自分の知識が足りないと痛感することも多々ありました。
コンプレッサーって、最初にものすごい電力を消費するんです。たとえ400ワットと書かれていても、電源を入れて「ブンッ」ってなる瞬間は5000ワットとか、10倍くらいは普通にいきます。
冷蔵庫が動くことが最低条件でしたが、当時は私自身も電気に関する知識が少なく、回路を動かすだけでも大変でした。
やっと動いてくれたと思ったら、今度は線が細すぎて下に敷いたマットが焦げてしまったり、効率が悪すぎて、入れた電力に対して出てくる量が半分だったり……。
最終的には、上司に「ちゃんとできたね」と言われるレベルにはなりましたが、パワエレの世界は入社してから学ぶことのほうが多いです。
それでもこの経験は、自分にとって手探りながらも大切な一歩になったと感じています。